大義なき解散

「大義なき解散」~安倍総理がこの28日(9月)にも衆議院を解散・総選挙を行う意向を示したと与党幹部が相次いで発言、またたくまに「解散突風」が永田町を駆け回っている。まだ正式発表はないものの、今回の突風はやみそうにない気配だ。

しかし、この解散・総選挙の大きな争点は全く見えていない。

今度こそ消費税を8%から10%に上げるために財源の一部を子育てや教育無償化に充てるという方針もあるようだが、逆進性の高い消費税が低所得世帯への支援に回されるというのは本末転倒ではないか。出せるところから徴税するのであれば累進性をもってあてればいいし、内部留保が膨らんでいる大企業からも相応に徴税すればいい。一般・特別それぞれのサイフ(会計・財源)の配分を見直すことは基本中の基本。前回の消費税増税で一般国民の消費マインドが予想以上に落ち込み、結果増税を二度にわたって先延ばしされたはず。景気回復は特定の産業や分野にみられるだけだ。

臨時国会開会の冒頭で解散すると当然、臨時国会で議論されるべき国民的関心の高い課題は一時棚上げ状態に置かれる。「もり・かけ問題」に対する疑問・疑念は払しょくされているとは言えず、多くの国民も関係者からなお明快な説明を求めている。公正性・公平性の観点からすれば、関係当事者である学園理事長や総理夫人の証人喚問も行うべきではないかという声も決して小さくなっていない。

北朝鮮の脅威をあおりにあおりながら、国会における言論の空白期間をつくることも国民からは納得がいかないであろう。危機管理への対応がどうなるのか、臨時国会の論戦において政府の考えを国民に伝えるべきなのにそれも棚上げ。

自衛隊を憲法9条に書き込む改正案を提示するとのことだが、そもそも与党自民党は憲法改正草案を党として明示しているはず。本来ならその改正案の可否を国民に問うべきではないのか。安倍総理はそれを国会で言及されると、総理の立場と総裁の立場を使い分けて言葉を濁してきた。

野党4党は憲法53条の規定に則って6月から臨時国会の早期開会を求めてきたがそれにも応えない。応えないどころか、冒頭解散を行うとすれば、総理所信演説に対する代表質問も予算委員会の開催も、改造内閣の新任大臣の所信も委員会質疑もしないことになる。憲法軽視・国会軽視も極まれりの、まさしく「大義なき解散・総選挙」だ。

なにがあっても絶対負けられない。一層気を引き締めて支持拡大へと奔走する。